エキゾチックな甘い香りにコクと甘みのバランス。上質な酸味の超最高級モカ
■モカ グジG1(Washed)
エチオピア イルガチェフに並ぶ産地グジ。
エチオピア南部に位置しており、有名なシダモにくくられることが多かった地区です。
しかし、品質の向上から独立したフンランドとして最近では認知される事が多くなりました。
甘味があってとても滑らかなその味は、モカのよさを兼ね備えながら、飲みやすさも
あるため人気が上がっています。
■エチオピア
エチオピア国民は、首都のアジスアベバでさえも標高2400mの地点にあるな
ど、心肺機能が強靭であるため長距離走がずば抜けて得意です。
エチオピアは標高が高い位置を好む「コーヒーの木」の発祥の地と言われて
いますが、昔はコーヒー豆を炒って飲む習慣はなく、コーヒーの赤い果実を
疲労回復や気付けの効果のある食べ物として利用しているのみでした。
エチオピア正教徒(キリスト教)が62.8%を占めるエチオピア全体の庶民に
コーヒーを飲むことが浸透したのは、随分後のことです。
一方、対岸イエメンのイスラム教の修道者(僧侶)は、コーヒーを夜通し礼
拝や瞑想(禅)をする際に飲む、神聖な秘薬として扱っていました。
イエメンのモカ港からコーヒー豆がベネチア港へ輸出されるようになり、ヨ
ーロッパ各地でコーヒーが流行しエチオピアも原産地として知られるよう
になりました。
流行と同時に「異教徒の悪魔の飲み物だ」という賛否が巻き起こり1600年
頃のローマ教皇が「では、キリスト教でコーヒーに洗礼を施して自分たちの
飲み物にしてしまえばよい!」などと、キリスト教徒にもコーヒーの飲用を
認める発言をした事も、普及の後押しになったようです。
こうして、イスラム教の修道者の影響を受けつつ、エチオピアの現代に伝え
るコーヒーセレモニー「カリオモン」が独自に誕生しました。
■茶道ならぬコーヒー道「カリオモン」
エチオピア人にとって、コーヒーを愉しむことは神聖な儀式です。
「カリオモン」とは、コーヒーの葉(カリ)を一緒に愉しむ(オモン)とい
う一部の民族の言葉が語源で、日本の茶道のように、コーヒーを振る舞う際
の精神的教養のことを差します。
エチオピアの女性は結婚前に必ず身につけるべき「おもてなしの心」であ
り、作法に必要な道具は代々受け継がれたり嫁入り道具であることもあるそ
うです。
大地に感謝し、もてなしてくれた家族や村の幸せを祈りながら飲むなど、ス
ピリチュアルな要素があります。
1,葉や花を敷き詰めた床に、お膳を置く
2,乳香という名の(爽やかで心に静けさをもたらす作用がある)樹脂から
作られたお香を焚く
3,鉄鍋でコーヒーの生豆を洗う
4,炉で鉄鍋を振り、煎る
5,煎りたての豆の香りを嗅いでもらう
6,来客に焙煎度合いを確認してもらい、臼で粉に挽く
7,コーヒーを淹れる
8,大地に捧げてから上座から順にお出しする
9,お好みで、砂糖・少量の塩・ミルク・バター、ハーブ(カルダモン、ク
ローブなど)を入れることもある
標高が高いため昼夜の温度差が激しく、山々の斜面で栽培されているのでよ
く日が当たります。
火山灰質の土壌により栄養を豊富に蓄えてよく育った生豆のみを厳選してい
ます。
■味の特徴
・スパイシーでエキゾチックな甘い香り
・こっくりとしたコクと甘みが調和
・せせらぎのように押し寄せる、透き通った上質な酸味
・カカオのような独特のモカフレーバー
・ベリー系の爽やかな後味